熊本県に本社を持つ株式会社くまもとDMCは、食と観光を軸にしたブランディングを通じて地元熊本の魅力を全国に発信し、地域活性を目的とした幅広いプロモーションを展開する企業です。
ヒアリングによる業務整理からツールの一元化、kintone開発や導入サポートなどをおこない、現在もサポート期間を延長してご契約いただいています。
今回はワクフリのサポート導入を推進した常務取締役の本島知明さんと、現場の社員とワクフリ開発チームの橋渡し役として活躍された地域活性推進部の宮田誠さんにお話をうかがいました。
業務効率化やコスト削減といった一般的な成果の他、社内のナレッジ共有や社員の意識改革といった思わぬ副産物もあったそうです。
そのほか、導入時に感じた戸惑いや現場のリアルな声、現在実感している成果についてもお話しいただきました。
【会社情報】 |
導入前の課題
- 業務によって使うツールがバラバラで使いづらい
- 業務が属人化していて社員の入れ替わりに対応できない
- 現在使っているツールの設定が複雑で使いこなせない
導入後の成果
- 案件情報の進捗が1ツールの中で追えるようになり、請求漏れ、確認漏れがなくなった。
- 過去の取引履歴をデータ化し、属人化を解消
- 仕事が見える化し、社内でのナレッジ共有が活発になった
- 最適なツールを組み合わせて、大幅なコストダウンが実現
導入したツール
- Google Workspace
- kintone
- Trello
- Great Sign
サポートの手順
業務整理を目的としたヒアリング→ツールの提案→kintoneでの業務管理システム開発・ Google Workspaceの導入・Great Signの導入→マニュアル作成→定着サポート
自社でのDXに限界を感じ、ワクフリに依頼
ーワクフリにご依頼いただいた経緯について教えていただけますか?
本島さん:複雑なシステムを整えて、バラバラになっていた業務フローやデータを一元化したいと考えて依頼しました。
私が肥後銀行からくまもとDMCに出向する以前から、DXによる業務改善には取り組んでいたのですが、採用したワークフローのツールはシステムが複雑で、使いこなせていない機能も多かったんです。
さらにデータ管理やメールには別のツールを使い、請求書は請求書のシステム、契約書は契約書のシステムと、ひとつの案件の中でも、発生する業務ごとに個別のシステムを使用していました。
システムを横断しなければ進捗管理もできず、決裁などに関する伝達ミスが起きることもありました。
宮田さん:小さな会社なので基本的にはスムーズにコミュニケーションが取れるのですが、最終的な決裁をおこなう責任者とはシステム上でのやり取りが多くなります。「申請を出しているのに、いつまでも承認完了のステースにならない」なんてことも起こりがちでした。
また、弊社の業務は大まかに分けて「コンペ、実施、請求、納品・報告」の4つのフェーズに分かれていて、月単位ではなく年単位で回しています。請求書の作成など年度末にしかおこなわない業務もあり、操作が複雑だとシステムを扱いきれないという課題もありました。
本島さん:社員から「もっとわかりやすいシステムに変更したい」という声が上がっていましたし、私自身も「会社の規模のわりにシステムが重く、決裁などの手続きのシステムに無駄がある」と感じたため、ツールやシステムの抜本的な見直しを決意しました。
前のツールでの失敗を踏まえて、他のツールに入れ替えるだけでは状況は改善できないだろうと考えて、数年前に肥後銀行の研修でお会いしたワクフリ代表の髙島さんにご相談したんです。
業務にフィットさせるオーダーメイド開発
ーくまもとDMCさまが受けた、ワクフリのサポート内容について教えてください。
本島さん:まずは業務フローについて現場担当者へヒアリングしていただき、業務フロー図へ落とし込んで可視化するところから始まりました。
続いてフロー図上の課題を抽出し、課題解決に適したツールの組み合わせや、新しいシステムの概要をご提案いただいて、方向性のすり合わせをしてからプロジェクトに入る流れです。
ツールの開発や導入に必要な金額も提示しながら進めていただけるので、わかりやすく安心感がありました。
ーワクフリのサポートを受けるなかで、社員のみなさんから戸惑いや不安の声はありましたか?
本島さん:提案いただいたkintoneや Google Workspaceなどは操作方法がシンプルで、ひと通り使ってみれば理解できるので、とくに戸惑いや不安はみられませんでした。
個人的に戸惑ったというか驚いたのは、思っていた以上にしっかりシステムを開発していただいたことです。
サポート内容に「kintone開発」と書いてあっても、ある程度の型が決まっていて、それを少し変えて当てはめていくような形だと思っていたのですが、要望をもとにカスタマイズして弊社の業務にフィットするようにオーダーメイドで開発していただけて驚きました。
宮田さん:一気につくって納品して終わるのではなく、プロトタイプを社員が実際に使って業務をおこない、不具合が生じた箇所や新たな要望があれば都度報告し、修正対応をしていただきながら本番環境を目指しました。
微修正を含めれば、100件以上あったと記憶しています。「ここの名称を変えたい」「タブを増やしたい」といった軽微なものであれば、数時間で対応していただけて非常に助かりました。
年間50万円のコスト削減!案件数も増加
ーワクフリのサポートを受けたことで、具体的な成果がありましたら教えてください。
本島さん:コストの面では、年間で50万円の削減ができました。
名刺管理ツールを無料で使えるものに変更して、営業の進捗管理はKintoneでおこなうなど、無駄なコストを徹底的に省けたのが大きかったですね。補助金の手続き支援もしていただけたので、ワクフリのサポート費用を含めても、3年ほどで回収できる投資です。
業務面では、クライアントや外注先、協力先などのデータ管理を一元化したことで、過去の交渉の記録や進捗ステータスも簡単に把握できるようになり、業務効率が格段に向上しました。採算管理が案件に紐づけられたので、請求書の貰い漏れや支払い漏れも防げています。
また、Googleカレンダーではスケジュールの一部を簡単に共有できるので、クライアントとの日程調整もスムーズにおこなえます。
本島さん:例えば営業職の社員の場合、業務の効率化によって今まで時間を取られていたバックオフィス業務の時間が短縮し、新規の営業に行ったりクライアントとの打ち合わせなど、本来の業務に使える時間が増加しました。その結果、獲得案件数も伸び、売り上げも伸びてきています。
ここまでの内容の業務改善を自社でやろうとすると、人材の採用から始める必要があり、最適な人材を採用するためにはこちらも知識を身につけなければならず、人件費の面から考えても、会社の負担は大きくなります。
ワクフリのサポートは、必要なときに必要なだけ受けられますし、費用対効果が高く、コストパフォーマンスが優れていると感じました。
ナレッジの共有と社員の意識改革が促進
ー導入定着までをサポートしたあとも、継続してサポート契約をご依頼いただきましたが、現在はどのようなサポートを受けていらっしゃいますか?
宮田さん:現在はkintoneの修正対応をメインにサポートしていただいています。
先ほどもお話ししたように弊社は1年をかけて「コンペ、実施、請求、納品・報告」を回す事業内容なので、昨年9月に導入してから3ヶ月ほどは、請求書などの調印関係の業務がなく、案件管理アプリも本格的に使用するシーンがありません。
開発から導入までの期間では検証しきれないので、年度を通してサイクルを回しながら、フェーズに応じて都度修正をしていくために現在も伴走していただいています。
ー実際に業務にあたる中で、現時点で便利になったと感じているポイントや変化はありますか?
宮田さん:kintoneで出した承認申請に対して、承認者がアクションを起こすと通知がくるので進捗を把握しやすくなりましたし、差し戻しの理由をアプリ上でコメントできるようになったので、大幅に時間短縮できています。
以前のシステムで承認申請が不受理になった場合、「差し戻し」のステータスしか出なかったので、差し戻しの理由になった箇所と改善ポイントを承認者に確認してから再申請する必要がありました。
変化としては、他の社員の申請内容が一覧で見られるようになった点が挙げられます。これまでは格納されている個別のフォルダを見ないと他の社員の業務内容は把握できませんでしたが、今は稟議が通りやすい人の仕事例を気軽に見られるようになり、お互いに学ぶ機会が増えました。
社内のナレッジ共有という面から見ても大きなメリットだと思っています。
宮田さん:様々な業務が効率化し、改善した結果として、社員の仕事に対する意識が変わり、ワークフローやシステムに対して改善に向けた意見を出すようになったことも大きな変化です。
これまではシステムの使い勝手が悪くても「悪い」と言うだけで、私のような担当者に任せて他人事だった社員たちが、業務効率化がもたらす恩恵を体感したことで「自分ごと」として捉えるようになりました。
担当事業だけではなく、会社全体の管理やシステムにも興味を持ち「もっと業務を効率化して、もっといい仕事をしていこう」という意識を、社員全員が持てたのは、思わぬ副産物でした。
DX活用で熊本県の観光業界に貢献していく
ー今後、どのようにDXを活用し、事業を展開していきたいと考えていらっしゃいますか?展望についてお聞かせください。
本島さん:面倒な手続きなどをさらに削減して、社員が働きやすい環境を構築していきたいと考えています。
弊社のミッションは地元・熊本県の熊本の強みである食と観光を活かした地域活性です。ワクフリのサポートを受けて、これまで雑務に割いていた時間を、熊本県を盛り上げていくために使えるようになりました。弊社の主なクライアントである観光業界も人手不足で、悩みを抱えている会社も多いので、我々のDXに関する取り組みを紹介していきたいです。
ワクフリに今後もアドバイザー兼サポーターとして伴走していただきながら、ブランディングやプロモーションと並行して、DXの観点からも熊本県の観光業界を盛り上げ、貢献していけたらと考えています。
ワクフリ担当者のひとこと
くまもとDMCさまは社員のみなさまがとても意欲的で、プロトタイプの段階から積極的にシステムを利用していただけました。
比較的特殊な事業内容ではありますが、的確なフィードバックをくださるので、課題をしっかり把握したうえで修正対応でき、本番環境までスピーディーに実装できました。
今後もくまもとDMCさまが熊本県の観光業界に貢献できるよう、しっかりとサポートさせていただきます。

業務改善コンサル部マネージャー 義村 渉
業務の整理やITツールの選定、導入サポートにおいてお悩みがありましたら、ぜひワクフリにご相談ください。
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