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DX人材とは?|DX人材に必要なスキルや育成方法を解説!

目次

現在、多くの企業が進めるDXの実現には、適切なDX人材が不可欠です。

しかし、そもそもDX人材とはどのような人たちのことを指すのか、明白にできている方は少ないのではないでしょうか。

そこで、本記事では、DX人材の概観から重要性、育成や確保の方法をデータとともに詳しく説明します。

DX人材の確保と育成は、企業の競争力を左右する重要な課題です。

ぜひこの記事を参考に、企業のDX推進を成功させるための一助としてください。

DX人材の概要

1. DX人材とは?

DX人材とは、DX推進を促す人材の総称です。

DXを推進するためには、ITスキルだけでなく、ビジネスの理解や戦略的思考力、そして変革を推進するリーダーシップが求められます。

そのため、それぞれの能力を兼ね備えた人材がDX人材と言えます。

DX人材と間違えられやすい人材としてあげられるのは、IT人材です。

IT人材とは、情報技術に関する専門知識やスキルを持つ人材で、主にプログラミングやシステム設計、ネットワーク管理など、特定のITスキルを持つ人材が該当します。

主にIT人材は、DX推進のための基盤を作る役割を果たす人材です。

このことから、DX人材とIT人材は共に重要であるものの、役割や必要となるスキルセットは異なると言えます。

2. DX人材とIT人材の違い

DX人材とIT人材は異なる役割とスキルを持つことから、一概に同一視することはできません。では、具体的にはどのような点で違うのでしょうか。

以下は、それぞれの違いをまとめた概観表です。

特徴・役割DX人材IT人材
主な役割デジタル技術を活用してビジネス価値を創出する情報技術の基盤を作る
求められるスキルITスキル、ビジネス理解、戦略的思考力、リーダーシッププログラミング、システム設計、ネットワーク管理等の専門的ITスキル
ビジネス理解デジタル技術を通じてビジネスプロセスや顧客体験を改善するための専門知識が求められるビジネス目標や課題を理解し、それに基づいて技術的なソリューションを提供が求められる
戦略的思考力DXは単なる技術の導入ではなく、企業のビジネスモデルやプロセスを根本的に変革する取り組みであるため戦略は極めて重要IT人材も戦略的思考を持つことは重要だが、その焦点はDX人材よりも技術的な側面に置かれることが多い
変革リーダーシップビジネスプロセスや組織文化の変革を主導するため極めて重要技術的な変革を推進し、プロジェクトの成功を確保するためにリーダーシップが必要
市場の状況不足しており、確保・育成が難しいIT人材も不足しており、IT人材の平均年齢は2030年まで上昇の一途をたどると予想
育成の課題時間とコストがかかる、組織全体での取り組みが必要スキルアップや最新技術への適応が必要

DX人材はビジネス面と技術面の両方を理解し、それを統合してビジネス価値を創出する能力が求められる一方で、IT人材はより技術的な側面に焦点を当てています。

従って、どちらの人材も適切に配置し、育成することが組織のデジタル変革に不可欠です。

DX人材の種類と必要なスキル

DX人材と一口に言っても、その役割や必要なスキルは多岐にわたります。

DX人材の種類役割仕事内容必須スキル
プロデューサーDXやデジタルビジネスの実現を主導企業のビジネス戦略を理解し、デジタル化するための全体的なビジョンを作り出すビジネス戦略の理解、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、デジタル技術への深い理解
ビジネスデザイナーDXやデジタルビジネスの企画の立案・推進デジタル技術を活用してビジネスモデルを設計や、ステークホルダーとの利害関係の調整ビジネスモデル設計、デジタル技術の理解、創造性、ファシリテーション能力、折衝能力
アーキテクトシステムの設計ビジネス要件を理解し、それを満たす最適なシステムアーキテクチャを設計するシステム設計、プログラミング、データベース管理
データサイエンティストデータ解析と活用大量のデータから有用な情報を抽出し、ビジネスに活用する統計学、機械学習、プログラミング
UXデザイナーユーザー体験の設計ユーザーの体験を最優先に考え、使いやすく魅力的なインターフェースを設計、デザインするデザイン思考、ユーザーリサーチ、プロトタイピング
エンジニア/プログラマデジタルシステムの実装やインフラ構築設計されたシステムの構築から運用まで担当し、問題が発生した際のトラブルシューティングも行うプログラミング、システム運用、トラブルシューティング
出典:日本イノベーション融合学会「DX検定」より

ここからは、それぞれの主要なDX人材の種類と、必要なスキルを詳しく解説します。

1. プロデューサー

プロデューサーは、DXやデジタルビジネスの実現を主導するリーダー格の人材で、CDO(Chief Digital Officer)も含まれます。

主な役割は、企業のビジネス戦略を理解し、それをデジタル化するための全体的なビジョンを作り出すことです。

そのため、ビジネス戦略の理解、プロジェクトマネジメント、リーダーシップ、そしてデジタル技術に対する深い理解が求められるでしょう。

2. ビジネスデザイナー

ビジネスデザイナーは、DXやデジタルビジネスの企画・立案・推進等を担う人材です。

通常、デジタル技術を活用してビジネスモデルを設計します。またステークホルダーとの利害関係の調整なども行います。

プロデューサーが全体を俯瞰して管理する一方で、ビジネスデザイナーは現場で活動します。

つまり、プロデューサーが大きな枠組みや方向性を決め、ビジネスデザイナーがその枠組みの中で具体的な解決策やアイデアを形にしていくという関係です。

このことから、ビジネスモデルの設計、デジタル技術の理解、そして創造性が必要です。

3. アーキテクト

アーキテクトは、DXやデジタルビジネスに関するシステムを設計できる人材です。

ビジネス要件を理解し、それを満たすための最適なシステムアーキテクチャを設計します。

例えば、コンピューターやアプリを動作させるために、どういう部品をどこに置くか、それぞれの部品がどうやってうまく連携するかを決める仕事です。

システム設計、プログラミング、データベース管理などの技術的なスキルが不可欠です。

4. データサイエンティスト

データサイエンティストは、DXやデジタル技術(AI・IoT等)やデータ解析に精通した人材です。

社内にある大量のデータから有用な情報を抽出し、ビジネスに活用します。

単にデータを整理するだけに限らず、統計学、機械学習、プログラミングなどのスキルを活用したアウトプットが求められます。

5. UXデザイナー

UXデザイナーは、DXやデジタルビジネスに関するシステムのユーザー向けデザインを担当する人材です。

主な役割は、ユーザーの体験を最優先に考え、使いやすく魅力的なインターフェースを設計することです。

一見すると単純ですが、製品やサービスを利用する人々が直面する問題を理解し、使いやすく、満足度の高い体験を提供するために不可欠です。

こうしたデザインの構築には、デザイン思考、ユーザーリサーチ、プロトタイピングなどのスキルが必要となります。

6. エンジニア/プログラマ

エンジニア/プログラマは、上記以外にもデジタルシステムの実装やインフラ構築を担う人材です。

主な役割は、プロデューサーやビジネスデザイナー、アーキテクト が策定したビジョンや計画を、具体的な技術的ソリューションとして実現することです。

このことから、プログラミング、システム運用、トラブルシューティングなどの技術的なスキルが必要となります。

DX人材の不足状況

DXの実現には、ここまで触れた専門的な知識とスキルを持つDX人材が必要です。

しかし、2023年に中小企業基盤整備機構が実施したアンケート結果では、DX人材の不足が浮き彫りになりました。

同アンケートでは、DXを必要とする企業は全体の71.9%にも上りますが、その中で実際にDXに取り組めている企業はわずか7分の1に留まっています。

この大きなギャップの原因が、「DX人材の不足」です。

企業がDXを推進する上での課題として、アンケートから人材不足も明らかになっています。

  • ITに関わる人材が足りない(28.1%)
  • DX推進に関わる人材が足りない(27.2%)
人材不足がDXに取り組むにあたっての課題であることを定量的に示したグラフを挿入しています。

出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査(2023年)」をもとに作成

このような背景からDX人材の不足は、企業のDX推進を阻害する大きな壁となっているものだと言えます。

DX人材の採用コストの増加

DX人材の不足が深刻化する一方で、その採用には高額なコストがかかるという問題もあります。

ワクフリの独自調査では、DX人材の中途採用を行うと、以下の人件費だけで年間1700万円ほどの損失が出るとの試算結果を得られました。

さらに、採用や教育コスト、諸経費も考慮に入れると、その負担はさらに増大します。

この状況を踏まえると、DX人材の確保は企業にとって簡単な課題ではありません。

なぜDX人材は不足しているのか

DX人材の不足が深刻な問題となっている背後には、以下の理由が考えられます。

  • 急速なテクノロジーの進化
  • IT人材の偏在
  • IT人材の今後の推移

1. 急速なテクノロジーの進化

急速なテクノロジーの進化は指数関数的であり、近年ではAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータなどのテクノロジーが急速に発展しています。

いずれのテクノロジーも、企業のビジネスモデルや業務プロセスを根本から変える力を持っています。

業務効率化、PRAの実現などは、企業の規模に限らず不可欠なものとして認識されつつあります。

しかし、その進化のスピードは社会全体の学習スピードを上回っており、新たなテクノロジーを理解し、活用できる人材の育成が追いついていません。

2. IT人材の偏在

IT人材がIT企業に偏在していることを示したグラフを挿入しています。

出典:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」をもとに作成

さらに、IT人材の偏在もDX人材不足の一因となっています。

情報処理推進機構が出した、IT人材白書2017によれば、日本のIT人材の72%がIT企業に従事しています。

つまり、それ以外の企業に従事しているIT人材は比較的少ないという状況です。

IT企業それ以外の企業IT人材がIT企業に従事する割合
日本752,600292,60072%
米国1,453,3002,741,81034.60%
カナダ354,684451,41644%
イギリス754,902882,63046.10%
ドイツ462,080735,01938.60%
フランス411,058471,04146.60%

出典:経済産業省「我が国におけるIT人材の動向」をもとに作成

上図より、米国やカナダ、イギリス、ドイツ、フランスなど他国と比較しても偏在してる割合が高いことがわかります。

加えて、IT人材は東京のIT企業に集中(51.1%)しており、地方のIT人材不足は深刻な課題であると言えます。

3. IT人材の今後の推移

IT人材の人口の推移を示したグラフを挿入しています。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」より

そして、もっとも深刻なのが、今後のIT人材不足における推移の予測です。

2019年の時点で、経済産業省からは2025年にはIT人材が約43万人、2030年には最大79万人不足するとの試算が公表されました。

順調に同様の結果を辿れば、DXを推進するために必要な人材が、今後ますます不足すると予想できます。

また、先に触れた2023年のアンケート結果でも、55.3%*もの人材不足がDX推進の大きな課題となっていることが明らかになっています。

このように、DX人材の確保は難しく、また先に触れたコスト面から見ても厳しいと言わざるを得ない状況です。

*…中小企業のDX推進に関する調査(2023 年)。「ITに関わる人材が足りない」28.1%、「DX推進に関わる人材が足りない」27.2%の合算値。

DX人材の3つの獲得方法

DX人材の人材確保は容易ではない状況を踏まえ、DX人材を獲得する方法を3つ紹介します。

  • 人材の採用
  • 外部組織との連携
  • 人材の育成

1. 人材の採用

まず、新卒や中途採用を通じてDX人材やIT人材を確保する方法です。

DX人材やIT人材を獲得するためには、まず求める人材のプロフィールを明確にすることが不可欠です。

企業が目指すDXの方向性や戦略に応じて、必要なスキルや経験、志向性を明確に定義するようにしましょう。例えば、データ分析や機械学習に強い人材、イノベーションへの意欲が高い人材、クリエイティブな発想力を持つ人材など、具体的な要件を設定します。

これにより、採用プロセスがより効果的になり、適切な人材を見極めることができます。

しかし、この方法は競争が激しいという問題もあります。

近年、即戦力を求めて、IT人材の中途採用を検討する企業も多いですが、下図の「職種別 doda転職求人倍率の推移」を見てもわかるように、エンジニア(IT・通信)の求人倍率は年々右肩上がりで人材獲得競争が激化している状況であるため、簡単にDX人材やIT人材を獲得することは難しいと言えます。

職種別の転職求人倍率の推移を示したグラフを挿入しています。

出典:doda「転職求人倍率レポート(2024年2月)」より

2. 外部組織との連携

一刻も早くDXを推進する必要がある企業には、DXコンサルティング会社など外部の専門組織と連携する方法があります。

人材採用から育成の負担を減らし、素早く専門のDX推進部署を設置し、スピーディーなDX推進を実現します。

しかし、DX推進は会社の掲げるビジョン、経営戦略、また社内文化を含めて変革が必要なため、外部組織に頼り切りになる状態は好ましくありません。

短期的で形式的なDX推進にならないために、社内、社外ともに属人化することなく、中長期的な観点でプロジェクトを推進できるような支援を受けることが大事です。

3. 人材の育成

最後に、社内の人材を育成する方法を紹介します。

社風や組織文化を理解している社内人材を育成することで、足並みをそろえてDXを進めることが可能です。

人材採用の手間やコストを省くことはできますが、当然ながら人材育成をきちんと遂行できる体制や仕組みが必要になります。

DX推進に必要な人材の種類や規模は企業課題によって様々です。そのため、DX推進や人材に関するノウハウがない中で、強引に人材育成を図ると、返ってコスト負担が増えたり、目的達成しづらい組織設計となる可能性があります。

従って、前項で紹介した「人材採用」「外部組織との連携」の方法と組み合わせて検討し、DX人材の獲得及び推進を図ることが重要です。

DX推進ならワクフリへ

DXを成功させるためには、DX人材の存在が不可欠ですが、人材採用及び育成は決して容易ではありません。

当社ワクフリでは、各社様で必要なDX人材を定義化し、DX推進チームを設置いたします。

必要なDX⼈材をワクフリで確保するため、社内でDX担当を新たに採用し、チーム編成をすることなく、スピーディーにDX推進を図ることができます。

また、一時的なDX推進に留まらないよう組織設計の見直しから、実践型のDX研修を実施し、属人化することなく、社内定着まで伴走支援いたします。

これまでに900社以上の業務変革・DX支援を実施してきた実績をもとに、ご支援しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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