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DXレポートとは|経産省が公表した最新版2.2について徹底解説

目次

DXは、企業が今日直面している最大の課題の1つであり、経済産業省が推進するDXレポートは、その進歩と方向性を示す重要な指針です。

「2025年の崖」を乗り越えるための新たな課題と、レガシーシステムの克服など、企業がデジタル化を成功に導くための解決策を提示しています。

本記事では、DXレポート2.2の概要と、それに対する具体的な対応策を分かりやすく解説します。

企業が直面する問題への実効性のある施策を探り、経営戦略に組み込むための参考にしてください。

DXレポートとは

DXレポートとは、企業が直面しているDXの現状と課題、そしてその解決策について網羅的に分析した資料のことです。

このDXレポートは、「デジタルトランスフォーメーションに向けた研究会」での議論を基に作成されました。

この研究会は、多くの産業においてデジタル技術がもたらす劇的な変化と新しいビジネスモデルの出現を踏まえたものです。

主に、日本の企業が競争力を維持し、DXを迅速に推進するための手法を探求することを目的としています。

現在、DXレポートには

  • 『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』
  • 『DXレポート2(中間取りまとめ)』
  • 『DXレポート2.1(DXレポート2追補版)』
  • 『DXレポート2.2(概要)』

の4種類存在します。

4つのレポートの概要

ここからは、それぞれのレポートの概要を紹介します。

DXレポート

DXレポートでは、主に問題の提起が行われ、以下の内容が取り上げられました。

  • 2025年の崖
  • DX実現シナリオ
  • DXの推進に向けた対策について

2025年の崖を避けるためには、日本企業はまず、レガシーシステムを克服する必要があります。

実際、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の「デジタル化の進展に対する意識調査」によると、約7割の企業がレガシーシステムがDXの足かせと感じています。

レガシーシステムの克服が必要であることを示したグラフ

出典:JUAS「デジタル化の進展に対する意識調査」をもとに作成

そのためには、AIやクラウドなどの最新のIT技術を積極的に活用し、デジタル企業への変革が不可欠です。

2018年に公開された初のDXレポートは、当時から7年後の2025年を見据えていました。しかしながら、現在2025年は目前に迫っており、課題解決のためには速やかな行動が求められます。

DXレポート2

DXレポート2では、先に挙げられた課題に対処するためのロードマップとして、2020年に取りまとめられました。

主な内容は以下の様になっています。

  • 企業のDX推進を加速するための課題
  • 企業のDX加速に向けたアクションと政策

DXレポート2では、先行するDXレポートの反省を踏まえ、DXの最終目標に至るまでのステップを以下の3つに分け、段階別かつ具体的に示しています。

  • 「直ちに取り組むべきアクション」
  • 「短期的な対応」
  • 「中長期的な対応」

アクションプランの遂行には、ITベンダーの支援が不可欠であり、企業との協業によってDXを実現する必要性が示唆されました。

出典:経済産業省「DXレポート2(中間取りまとめ)」より

DXレポート2.1

続いて、DXレポート2.1は2021年に経済産業省から公表されました。

このレポートは、DXレポート2で明らかにできなかった、デジタル変革後の産業の姿やその中での企業の姿が示された資料です。

既存産業の企業がデジタル産業の企業へ変革を加速させるための政策の方向性がまとめられました。

また、企業間の構造が問題視されました。

目指すは、「ピラミッド型」から「ネットワーク型」への産業構造のシフトです。

企業間の構造を表した模式図

出典:経済産業省「デジタル産業の創出に向けた研究会の報告書『DXレポート2.1(DXレポート2追補版)』を取りまとめました」より

産業構造が「ネットワーク型」に移行することで、企業同士が積極的に協力関係を築き、新しいプラットフォームを構築することが期待されています。

これにより、単独の企業では実現困難だった新たな価値創造が可能になります。

DXレポート2.2

最後のDXレポート2.2は、2022年7月に経済産業省から公開された最新版です。

デジタル産業への変革に向けた方向性やアクションなどが提示されています。

DXレポート2.1では、「デジタル産業」の概念が提示され、デジタル変革後の産業の姿や、企業の新たな役割に関する議論が進められていました。

DXレポート2.2では以下の3つの問題が上げられました。

  • 効率化中心の投資
  • 経営層と社員のギャップ
  • ユーザー企業とベンダー企業の関係

次章で、DXレポート2.2で示されたこれら3つの課題について詳しく掘り下げていきます。

レポートで示唆された3つの課題

ここからは、DXレポート2.2が提示する主要な課題について解説します。

効率化中心の投資

DXレポート2.2では、企業におけるデジタル投資の実態が、主に既存ビジネスの「効率化」に焦点を当てたものであることが指摘されています。

多くの場合、デジタル技術の導入と活用は、業務の合理化やプロセスの最適化に主眼が置かれています。

実際、JUASの「企業IT動向調査報告書 2022」によれば、企業のIT予算の75%以上が現行ビジネスの維持・運営に割り当てられています。

しかし、サービスの創造・革新のための予算の割合は3年後の目標よりも10%以上低い水準にとどまっており、業務効率化に偏重している傾向があります。

現行ビジネスの維持・運用予算とサービスの創造・革新予算の割合

出典: JUAS「企業IT動向調査報告書 2022」をもとに作成

この結果、長期的な収益増強に向けた戦略的なアプローチが後回しにされています。

この状態には、以下のような問題があります。

  • 競合他社との差別化が困難になり、競争力が低下する可能性
  • 既存ビジネスの効率化は限界に近く、大きな効果は得られない

もちろん、既存ビジネスの効率化もDXの目的の1つであり、重要な役割です。しかし、業務効率化は通過点であってゴールではありません。

しかしDXの真の目的は、デジタル活用による新しい価値の創出や企業の革新にあります。

そのために企業は、「サービスの創造・革新」への投資が必要です。

経営層と社員のギャップ

経営層が社員に対してビジョンや戦略を伝えるだけでなく、実際の行動に関する具体的な行動指針の提供の重要性が強調されています。

行動指針がないことで以下のような問題が生じます。

  • 企業内で目標ににおける理解のずれ
  • 社員の目標に対する適切な行動

DX推進効果を損なわないためには、経営層と社員のギャップを埋める必要があります。

ユーザー企業とベンダー企業の関係

ユーザー企業とベンダー企業の関係を表した模式図

最後に、ユーザー企業とベンダー企業の「低位安定」関係について指摘されています。

低位安定の関係とは、ITコスト削減を重視するユーザー企業と低リスクでのビジネスを運営するベンダー企業が相互に依存している関係のことです。

この状態では以下のような問題が生じます。

  • ユーザー企業:IT対応能力の停滞、システムのブラックボックス化
  • ベンダー企業:利益水準の低下、技術開発投資の鈍化

DXの成功には、ユーザー企業とベンダー企業の良好な関係構築が重要です。

つまり、双方が事業成果を重視し、共通の目標を共有することで、お互いの成長を促進する関係を構築する必要があります。

課題を解決するには

前項で述べられた課題を解決するには、企業は明確な行動指針を示し、DX戦略を策定する必要があります。

以下の様に行動指針を示し、DX戦略を策定すれば良いでしょう。

DX戦略の策定方法

DX戦略を立案する際は、まず自社の理念や経営方針に基づき、DX推進により何をしたいのかを明確に設定します。

その上で推進体制の確立や既存事業との整合性を考慮していきます。

目指すべき目標と体制が整ったら、行動指針を明確にし、社員に示しましょう。

レポート内の課題を解決するには、社内で行動指針の共有を行っておくことが重要です。

その際に知っておきたいのが、行動指針である以下5つの項目で構成された「デジタル産業宣言」です。

デジタル産業宣言

出典:経済産業省「DXレポート2.2」より

キーポイント説明
ビジョン駆動成功体験や柵(しがらみ)を捨て、新たに実現すべきビジョンを目指している
価値重視開発コストではなく、創出価値を重視している
オープンマインド自社に閉じるのではなく、あらゆるプレイヤーとつながっている
継続的な挑戦失敗して撤退するのではなく、試行錯誤を繰り返し、前進し続ける
経営者中心デジタルによるビジネス創造は経営者のミッションであることを自覚している

出典:経済産業省「DXレポート2.2」より

レポートで提案された行動計画は、このデジタル産業宣言の5つの項目に密接に関連し、デジタル変革を促進するための行動指針となるものです。

加えて、レポートはこの原則を単に指針として守るだけでなく、それぞれの企業が独自の環境と目標に合わせてカスタマイズし、自らのビジネスに合致する「自社の宣言」を創りだすことを推奨しています。

そして、一度決めたステップやアクションに固執せず、試行錯誤を繰り返しながらブラッシュアップしていくことが重要です。

まとめ

DXレポート2.2は、DXの実践指針を示した文書であり、企業のDX推進における新たな指標となります。

  • 2018年9月:DXレポート
  • 2020年12月:DXレポート2
  • 2021年8月:DXレポート2.1
  • 2022年7月:DXレポート2.2

上記のように更新されてきましたが、これらの報告書の共通点は、DX人材の不足が挙げられます。DX人材の不足は、企業がDXを推進する上で最も深刻な課題の一つです。この問題に取り組むことが、企業がDXの恩恵を最大限に受けるための重要なステップとなります。

また、先に触れたように、企業は行動指針を明確化し、課題を解決する必要があります。

ワクフリでは、この「行動指針の策定」を業務設計コンサルティングサービスを通じて解消することができます。

また、「実践型DX研修」も提供しており、DXの基礎からITツールの操作方法まで、多岐にわたるカリキュラムで企業の投資効率化も支援可能です。

経営者やDX推進担当者、人事担当者が直面する様々な悩みにも応えることができるため、これからDXを進めていこうとしている企業様、行き詰まっている企業様は、ぜひ一度お気軽にお声がけください。

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