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最適なDXロードマップの作成方法とは|作成方法やポイントを紹介

目次

企業のDX推進には、明確なロードマップの策定が不可欠です。しかし、多くの企業が作成方法や具体的な推進方法がわからず、苦戦しているのが実情です。

そこで今回は、最適なDXロードマップの作成方法とその推進ポイントについて解説します。デジタル技術を効果的に活用し、業務効率化と競争力の向上を実現するための参考にしてください。

DX推進にはロードマップが必須

DX推進には、経済産業省のDX推進指標で具体的な道筋を示すことの重要性が強調されています。明確なロードマップの策定が不可欠であり、ビジネスモデルの変革、業務プロセスの最適化、働き方の革新を組み込む必要があります。

企業は自社の現状を正確に把握し、目指すべきデジタル化の姿を明確にし、段階的な実行計画を立てるべきです。データ分析基盤の構築から始め、AIの導入、全社的なDXへの具体的なロードマップを共有し、組織全体のDXを効果的かつ効率的に推進することが重要です。

ロードマップの作成手順

DXロードマップの参考図

参照:「DXの本DX推進ロードマップを書いてみた

以上に示している図は、DXを推進するためのロードマップの一例です。DXを成功させるためには、詳細まで明確にしたロードマップを作成することが重要です。それでは、どのような内容を記していけばよいのでしょうか。以下では、効果的なDXロードマップの作成手順について詳しく説明します。

ビジョンと目標の設計

DXロードマップの第一歩は、自社のミッション、ビジョン、バリューを明確にすることです。次に、具体的な目標を設定し、それに基づくKPI(重要業績評価指標)を定めます。例えば、「3年以内に顧客満足度を20%向上させる」や「5年以内にデジタル関連売上比率を50%に引き上げる」、「2年以内に業務プロセスの自動化率を30%向上させる」などの目標を掲げることが重要です。

これにより、組織全体が同じ方向を向いて進むことができます。これらのKPIを定期的に測定し、進捗を可視化することで、目標達成への道筋を明確にし、全社的な取り組みを促進します。

現状分析

次に、自社の業務プロセス、技術インフラ、人材スキルを詳細に分析し、デジタル化の度合いを把握します。この過程で、非効率な業務フローやレガシーシステムなどの課題やギャップを特定します。例えば、紙ベースの業務が多い、データ活用が不十分、顧客接点がアナログ中心など、改善が必要な領域を見つけます。また、同業他社や先進企業のデジタル化状況をベンチマークし、自社の位置づけを客観的に評価し、業界標準から遅れている領域がないか確認します。

この分析結果は施策立案の基礎となり、優先順位付けにも役立ちます。定量的なデータを収集し、客観的な評価を心がけることが重要です。また、現場の声を丁寧に拾い上げ、数字だけでは見えない課題や潜在的なニーズを把握することもポイントです。

具体的な施策の立案

現状分析を踏まえ、業務プロセスのデジタル化、データ分析基盤の構築、AIやIoTの導入など、DXを推進するための具体的な施策を立案します。次に、デジタル人材の育成・採用、組織構造の見直し、デジタルカルチャーの醸成などの社内体制の整備を計画します。

この施策は短期・中期・長期に分けて段階的に実行計画を立てることが重要です。例えば、

1年目:基幹システムの刷新
2年目:データ分析基盤の構築
3年目:AIを活用した予測分析の導入

といった具合に明確なタイムラインを設定します。

目標設定には、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性がある(Relevant)、期限がある(Time-bound)というSMART原則を用いることで、実効性の高い目標を立てることができます。

想定されるリスクの解決策を検討

DX推進には、人員や予算の不足、従業員の抵抗感、技術的な障壁など、様々なリスクが伴います。そのため、段階的な人材育成計画や、外部リソースの活用、優先順位に基づいた予算配分などの解決策を考えなくてはなりません。

必要に応じて、社内コミュニケーション、段階的な導入、十分なトレーニングプログラムの提供などでも対応します。このように、リスクを事前に洗い出して事前に対策を講じることで、DXの推進をより確実なものにできます。

全社共有

ここまで作成したDXのロードマップは、経営層からフロントラインの従業員まで全社的に共有します。DXの必要性、目標、具体的な施策を明確に伝えることで、プロジェクトの方向性が全社的に浸透し、組織全体で一体感を生み出すためです。

また、定期的な進捗報告会や社内ポータルサイトの活用など、継続的なコミュニケーションを図ることでも、DXへの理解と参画意識を高めます。加えて、各部門の役割と責任を明確にすることで、属人化を防ぎ、組織全体でDXを推進する体制を構築できます。

実行と見直し

DXロードマップの実行段階では、KPIを用いて目標達成度を測定し、予定通りに進んでいない領域があれば、その原因を分析する実行と見直しも必要です。例えば、四半期ごとにレビュー会議を開催し、各施策の進捗状況や成果を確認します。

また、技術の進化や市場環境の変化に応じて、柔軟にロードマップを修正してください。新たな技術の登場や競合他社の動向など、外部環境の変化にも敏感に対応し、PDCAサイクルを回すことで、継続的な改善と目標達成に向けた取り組みを推進できるのです。

ロードマップ作成ポイント

ロードマップを作成する際には、すでに公開されている資料を参考にすることも有効です。ここでは、DXレポート2と、デジタルガバナンス・コードの2つを紹介します。

DXレポート2の参考

DXレポート2(中間取りまとめ)は、日本企業のDXの現状と課題、そして加速に向けた方策をまとめており、ロードマップの策定にも参考になります。同レポートによれば、多くの日本企業がDXに十分取り組めておらず、コロナ禍でデジタル対応の差が企業間で顕在化し、事業継続や競争力に大きな影響を与えています。

DXレポート2は、DXの本質が単なるIT導入ではなく、企業文化や商習慣の変革を含む包括的な取り組みであると強調しています。また、企業が取るべきアクションとして、テレワーク環境の整備、顧客接点のデジタル化、業務プロセスのデジタル化が挙げられています。

デジタルガバナンス・コードの参考

デジタルガバナンス・コード2.0は、DX推進の指針としてロードマップ策定に役立ちます。このコードは、企業がDXを自主的に進めることを促し、ステークホルダーとの対話を重視しています。企業は、デジタル技術による社会変化を踏まえた経営ビジョンとビジネスモデルを策定し、ステークホルダーに示すべきです。

また、ビジネスモデル実現のためのデジタル技術活用戦略を策定し、組織づくり・人材・企業文化に関する方策とITシステム・デジタル技術活用環境の整備に関する方策を示す重要性も強調されています。各項目について基本的事項、望ましい方向性、取組例も示されており、企業はこれらを参考にDX推進を図ることができます。

ロードマップに沿ってDXを推進するには

DXのロードマップにおける実行段階では、短期的な成果の創出、ビジョンの浸透、そして人材育成がポイントです。それぞれを適切に組み合わせることで、DXを効果的に推進してください。

短期的な目標とKPIの設定

DXの実現には長期的な取り組みが必要ですが、その過程で短期的な目標を設定し、達成可能なKPIを定めることも重要です。なぜなら、長期間にわたって目に見える成果がないと、組織内の摩擦や疑念が生じ、変革のスピードが低下する危険があるためです。

ロードマップに沿ってDXを推進する際は、短期的に達成可能な目標やKPIを設定し、小さな成功体験を積み重ねることが効果的です。これにより、DXの有効性を組織全体に示し、さらなる変革への動機づけとなります。

DXのビジョン浸透に努める

ロードマップに沿ったDXでは、明確なビジョンがあってこそ、組織全体が同じ方向を向いて変革に取り組めます。このビジョン浸透の第一歩は、DXによってもたらされる具体的な価値や変化を、組織内外のステークホルダーにわかりやすく説明することです。

例えば、顧客体験の向上、業務効率化、新規ビジネスモデルの創出など、DXがもたらす具体的なメリットを示すことが効果的です。

また、ビジョンの浸透は一度きりの取り組みではありません。定期的な社内セミナーや、成功事例の共有、経営層からのメッセージ発信など、継続的なコミュニケーションが必要です。

人材育成に取り組む

DXを成功に導くためには、適切なロードマップの作成だけでなく、それを実行に移す人材の確保と育成が不可欠です。DX人材が不足していると、継続的なDX推進が困難になり、ロードマップの実現が危ぶまれます。

人材育成の取り組みとしては、まず既存の従業員のスキルアップが挙げられます。デジタル技術やデータ分析に関する社内研修プログラムの実施、外部セミナーへの参加支援などが効果的です。

また、実際のDXプロジェクトへの参加を通じた実践的な学習機会の提供も増やし、デジタルネイティブ世代の若手人材の採用と育成も長期的なDX推進には欠かせません。

まとめ

DX推進では、ビジョンと目標の設計から始まり、現状分析、具体的な施策立案、リスク対策、全社共有、そして実行と見直しまでの一連のロードマップを通じて、組織全体で取り組むことが重要です。短期的な目標設定とKPIの導入により、小さな成功体験を積み重ね、ビジョンを浸透させ、人材育成に注力することで、持続的なDXを進めることが可能です。しかし、DXは一朝一夕には達成できず、明確な計画と継続的な取り組みが欠かせません。

ワクフリでは、現状分析から始め、最適な業務フローの設計、デジタルツールの最適化、組織設計、人材育成などを包括的にサポートし、組織全体のDX推進を支援します。自律的に考え行動できる人材の育成と変革に前向きな組織文化の醸成をサポートから幅広い研修プログラムの提供まで、包括的にアプローチするワクフリにぜひお気軽にお問い合わせください。

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