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DX人材育成における6つのポイント|課題や解決策についてご紹介

目次

DXは、今や企業にとって避けて通れない課題です。その課題を解決するには、DXについて深く理解し推進できる人材が不可欠です。

日本能率協会の調査によれば、DXに取り組む企業は増加傾向にありますが、同時に人材不足も深刻な課題として浮かび上がっています。

そのため、自社内でDX人材を育成することは技術の導入だけでなく、組織文化や組織の変革を含む包括的な取り組みであり、企業の持続的な成長には欠かせません。

今回は、DXを推進するための人材育成に焦点を当て、その重要性と具体的な方法について、詳しく紹介します。企業が直面するDXの課題に対応するためにも、ぜひ最後までお読みください。

 DX人材の不足が課題となっている企業が多い

一般社団法人日本能率協会が行った「日本企業の経営課題 2021」のDX推進の取り組み状況に関する調査結果によると、推進の課題として、「DX推進に関わる人材が不足」を挙げる企業が9割近く上げられました。

DX推進時の障壁となっている課題

出典:一般社団法人日本能率協会「日本企業の経営課題 2021」より

また、国際経営開発研究所(IMD)が発表した「世界のデジタル競争力ランキング2023」において、日本は63カ国中32位でした。2022年の29位からさらに3つランクを落とし、過去最低となっています。
特に「人材/デジタル・技術スキル」は63位と低く、日本におけるIT人材の不足やデジタル技術・スキルの不足が顕著に現れています。

加えて、総務省の調査によると、デジタル化に関する課題や障壁について、日本は米国・ドイツ・中国に比べて人材不足を課題と認識している割合が高いことがわかります。

国別のデジタルに関する現在認識

【出典】総務省「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活用の動向に関する調査研究(2022)」をもとに作成

こうした状況を受け、日本企業は急速に変化するグローバル市場で競争力を確保するためには、DXの推進が不可欠だといえます。

そして、DXを推進するためには、DX人材が必要不可欠であり、企業はDX人材を獲得するために採用や育成に努める必要があります。

人材育成における6つのポイント

自社内で、DX人材を育成するには以下のステップで行うと効果的です。

  1. 目的/戦略の策定
  2. 必要な人材の把握
  3. キャリアパスの設定
  4. 育成対象者の選定
  5. 知識のインプット
  6. 実践的なアウトプット

1. 目的/戦略の策定

自社におけるDXの成功を目指すためには、まず自社に合ったDXの目的や戦略を策定することが求められます。なぜならDXの取り組みが一律のものではなく、企業ごとに異なるニーズと課題があるためです。

例えば、ある企業では顧客体験の向上が、別の企業では業務効率化がDXの主要な目的となるかもしれません。

そのため、自社のビジネスモデル、市場環境、顧客ニーズを深く理解することが、DXの目的を定める上で重要となり、今必要とする人材像を想像しやすくなります。

2. 必要な人材の把握

DX戦略を策定する際は、ビジネスモデルや市場環境、顧客ニーズを理解し、それに適した人材を確保・育成する必要があります。

DX推進における主要な人材類型は、「DX推進スキル標準」によって5つに定義されています。

役割説明重要性
ビジネスアーキテクトビジネスと顧客・ユーザーの視点を総合して製品・サービスの方針や開発プロセスを策定し、デザインする。DXの方向性を定める中心的役割を果たす。
データサイエンティストデータの収集・解析や業務変革を行い、新規ビジネスを実現する。事業成果にデータの価値を最大化するために不可欠。
ソフトウェアエンジニアデジタル技術を活用したシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担当する。安定したシステム構築と最新技術の理解が求められる。
デザイナー製品・サービスのユーザーエクスペリエンスをデザインし、インターフェースを創出する。DXを通じた顧客満足度の向上に寄与。
サイバーセキュリティデジタル環境のセキュリティリスクを抑制する対策を担当する。情報漏えいやサイバー攻撃のリスク対策が重要。

出典:経済産業省「DX推進スキル標準」より

いずれの人材も専門性を活かしながら、他の類型との連携を積極的に構築してDXを推進します。

現在、自社に一番必要な人材とはどのような人なのかを把握し、育成するための戦略を立てることが重要です。

3. キャリアパスの設定

次に、DX人材を育成するには、短期間での成果を求めるのではなく、長期的な視点でキャリアパスを設定し、計画的に取り組むことも必要です。

DX人材育成においては、土台となるデジタルスキルを習得します。DX人材は、プログラミング能力やデータ分析力、AIやIoTなどの最新技術への理解が求められる職種がほとんどで、これらの能力は基本中の基本です。

しかし、ビジネスアーキテクトなど、技術的なスキルよりもビジネスセンスやプロジェクトマネジメント能力が重視される職種も存在します。

また、プロジェクトマネジメント能力や、チームワークを促進するコミュニケーションスキルも同時に磨く必要があります。

いずれのスキルも一朝一夕には身につかないため、個々のキャリアパスに応じた段階的な育成計画が求められます。DX人材育成は、個人のスキル向上だけでなく、組織全体のデジタル化を進めるための基盤作りでもあります。企業は各従業員のキャリアパスを見据え、長期的な視点で育成計画を練り、実行に移していく必要があります。

4. 育成対象者の選定

DX人材には技術的なスキルも必要ですが、それ以上に、変革を推進して持続可能な成果を生み出すためには、適切なマインドセットを持った人材の選定も求められます。

たとえば、以下のような人材です。

  • 強い意志や新しいものを生み出す貪欲な姿勢を持つ人材
  • 柔軟に変化に対応し、長期的な視野で物事を判断する能力を持つ人材
  • 学習意欲や精神的なタフを兼ね備えた人材

このようなマインドセットを持った人材は、容易に見つけることはできません。しかし、自社内での育成においては、ワークショップや研修を通じて徐々に醸成していくことが可能です。

5. 知識のインプット

人材を選定したら、次は「知識のインプット」です。基礎知識が習得できるおすすめの書籍は以下の通りです。

書籍名出版社
図解コレ1枚でわかる最新ITトレンド 装改訂4版株式会社技術評論社
イラスト&図解でわかるDX(デジタルトランスフォーメーション)彩流社
DX白書2023 進み始めた「デジタル」、進まない「トランスフォーメーション」独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
いちばんやさしいDXの教本インプレス
AI白書2023株式会社KADOKAWA
DX実行戦略 デジタルで稼ぐ組織をつくる日本経済新聞出版
ChatGPT産業革命日経BP
できる税理士は知っている これならうまくいくクラウド会計一般社団法人クラウド経営協会
売上が上がるバックオフィス最適化マップ本間 卓哉 
業務DX推進士認定公式テキスト一般社団法人IT顧問化協会

また、進化の早いデジタルの世界では数年前の情報は古いということはよくあります。

そこで、更新が迅速なe-learningを用いた勉強方法は非常に効果的です。毎年内容が更新されているため、最新のデジタル技術を学習することが可能です。加えて、場所や時間を選ばずに学習できます。

最後に、資格や検定の過去問を用いた学習も有効な方法です。実際の業務に即した問題を解くことで、理論だけでなく実際の業務に活かせる知識を身につけることができます。

また資格取得は、個人のスキルアップはもちろん、組織全体のDX推進力の向上にも寄与するものです。書籍、e-learning、資格や検定の過去問などの方法を組み合わせて、自社内でのDX人材育成を効果的に進めましょう。

6. 実践的なアウトプット

最後に、DX人材の育成で見落とされる重要なポイントが実践的なアウトプットです。

まず、DX人材育成において重要なのは、理論だけでなく現場で直ちに活用できるスキルを身につけさせることです。そのためには、実際の業務プロセスやデジタルツールを使用した演習を多く取り入れる必要があります。

また、全員が同じ内容を学ぶのではなく、個々のニーズに応じたカリキュラムを提供することで、より効果的な学習も可能となります。

もし、アウトプットの方法で悩んだら、ワクフリの「実践型DX研修」をぜひご活用ください。900件以上のDX支援経験を持つ専門家によるカリキュラムに加え、企業規模や業種に応じたオーダーメイドの研修にも対応しています。

興味のある方は、ぜひ無料相談からお声がけください。

DX人材は社内で育成すべき?

DXは、現代の企業にとって避けて通れない課題です。

しかし、DX人材の育成は相応に手間とコストがかかります。

そこでここからは、DX人材の社内育成で悩む企業に向けて以下を解説します。

  • 社内でDX人材を育成するメリット
  • 社内育成の懸念点

社内でDX人材を育成するメリット

DXの推進にあたり、社内でDX人材を育成するメリットは計り知れません。

まず、既存の人間関係を活かしてDXを推進できる点が大きな利点です。DX推進を中長期的に成功させるためには、社内状況や市場ニーズにあわせて取り組みを変革し、継続することが重要です。社内で育成することで、チームワークを維持しつつ、新たなデジタルスキルを組織に浸透させることができます。

また、システムの一貫性を保つことが可能になります。システム開発をはじめとするDXの推進を外部ベンダーに委託した場合、意思疎通に時間がかかったり、勘違いや齟齬が生じたりする可能性があります。

その結果、不十分なシステムとなってしまったり、複数のシステム同士の互換性に問題が発生したりすることも考えられます。

一方、自社内の「DX人材」が企画・開発から実際の運用まで手がけることができれば、社内システムすべてについて一貫性を保つことができ、機能の改善やトラブルへの対応も迅速に進めることも可能です。

社内育成の懸念点

社内でDX人材を育成する懸念点としては、専門的知見の不足が大きな問題となり得ます。例えば、社内の人材にDXに関連する最新の技術や手法を理解させ、実践できるレベルにまで引き上げるには、広範な知識と実践経験が必要です。

しかし、多くの企業においてはこのような専門知識を持った人材が不足しており、育成プログラムの構築自体が困難な状況にあります。この状態のまま、自社内だけで育成が上手くいかなければ、外部委託という形で追加コストが発生します。

さらに、途中から外部に委託することで、DX推進の計画そのものに遅れが生じる可能性も否めません。

また、社内でDX人材を育成しようとすると、本来の業務との両立が難しいという問題にも直面します。

以上の懸念点を考慮すると、自社内だけで育成を試みるよりもプロの助けを借りて育成に励んだほうが確実だといえます。

DX人材育成ならワクフリのご相談

DX推進のためには、適切なDX人材の育成が不可欠です。

前述した通りDX人材を社内で育成するための具体的な流れは、以下のとおりです。

  1. 目的や戦略の策定
  2. 必要な人材の把握
  3. キャリアパスの設定
  4. 育成対象者の選定
  5. 知識のインプット
  6. 実践的なアウトプット

しかし、自社内での人材育成には専門知識の不足や業務との両立の難しさといった課題も存在します。特に自社の研修やeラーニングでは、「6. 実践的なアウトプット」は難しいと思います。

こうした課題に対応するためにワクフリでは、「実践型DX研修」を実施しています。

実践型DX研修とは、企業のニーズに合わせてカスタマイズした研修の実施や人材育成のサポートや変革の担い手となる人材を個別にピックアップして育成するサービスなど、座学に止まらない実践的なワークショップ型の研修です。

人材育成でお困りの研修に興味のある担当者様は、ぜひ支援実績900社超のワクフリにお気軽にご相談ください。

ワクフリの実践型DX研修は多くの自治体でも採用されています。詳しくはこちらから

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