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DX推進部とは?目的や役割、作成ポイントを合わせてご紹介

目次

DX推進部は、戦略立案から実行、IT部門や事業部門との連携、業務プロセスの改善、データ活用などの中心的な役割を担います。成功には、リーダーシップの確立、明確なビジョンと戦略、組織全体との連携、適切なリソースとスキルの確保、成果の測定と評価、そして育成とトレーニングが重要です。

本記事では、DX推進部の目的や役割、必要なスキルと作り方のポイントを解説します。DX推進を目指す企業の皆様、ぜひ参考にしてください。

DX推進部の重要性

DX推進部門の設置は、企業全体のDXを効果的に進めるために極めて重要です。この部門は、全社的なデジタル戦略の策定と実行を統括し、各部門の取り組みを一貫した方向に導きます。また、迅速な意思決定と専門知識の集約を通じて、デジタル技術の導入を円滑に進める役割を果たします。

実際、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の調査によれば、DXの成功には既存の組織にDX推進の責任を負わせるのではなく、専門のDX推進部門を設立することが効果的だとされています。

また、社内の人材育成や外部人材の活用など「人材面」での対策も重要ですが、まずは「組織・体制面」をしっかりと整えることが不可欠であると言えます。

出典:IPA「デジタル・トランスフォーメーション推進人材の機能と役割のあり方に関する調査」

DX推進部の目的

DX推進部門の主な目的は、企業全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を効果的に推進することです。これには、デジタライゼーション(業務プロセスのデジタル化)やデジタイゼーション(特定の業務や機能のデジタル化)を超えて、組織全体の包括的な変革が含まれます。

具体的には、以下の目標を掲げています。

  1. 効率性と生産性の向上:業務プロセス全体のデジタル化を通じて、業務の効率性と生産性を向上させます。
  2. 新たな価値創造:特定の業務や機能のデジタル化によって、新しい価値を創造し、競争力を強化します。
  3. デジタル戦略の立案と実行:社内の各部門と連携しながら、全社的なデジタル戦略を立案し、その実行を支援します。
  4. 人材育成:デジタルスキルを持つ人材を育成し、組織全体のデジタルリテラシーを向上させます。
  5. 組織文化の変革:デジタル文化を浸透させ、組織の変革を促進します。

これらの取り組みにより、企業全体のデジタル化を推進し、持続可能な成長と顧客満足度の向上を目指しています。

DX推進部門の役割

DX推進部の関係図

DX推進部門は、企業のDXを牽引する中核的存在として、全社的なDX戦略の立案から実行まで、幅広い責務を担います。以下では、その中でも代表的な5つの役割を解説します。

1.戦略立案と実行

DX推進部門の最も重要な役割は、全社的なDX戦略の策定と各事業部門での施策実行の主導です。デジタル技術を活用した新たなビジネスモデルの創出や、既存プロセスの効率化を目指し、具体的なロードマップを作成します。

また、経営層との密接な連携のもと、DXの方向性を明確にし、全社的な変革を推進します。各事業部門に対しては、DXの重要性を啓蒙し、具体的な施策の立案と実行をサポートすることも役割の1つです。

2.IT部門との連携

DX推進部門は、既存のIT部門と緊密に連携し、DXの実現に向けた活動も推進します。主に、ビジネス戦略とIT戦略の整合性を確保し、最新のデジタル技術の導入を提案します。

一方、IT部門は技術的な実現可能性や既存システムとの統合が主な役割です。また、セキュリティやデータガバナンスの観点からも、定期的な情報共有や合同会議を通じて、DXの推進と既存ITインフラの最適化を同時に実現します。

3.事業部門との協業

DX推進部門の重要な役割の1つとして、各事業部門を個別に巻き込み、デジタル前提の社会に適応させることも挙げられます。この協業で大切なのは、各事業部門の特性や課題を深く理解することです。

主に、事業部門のリーダーや現場スタッフとの対話を通じて、デジタル化によって解決できる問題点や改善の機会を特定します。他にも、具体的なDX施策、およびその実装もサポートします。

4.業務プロセスの改善

DX推進部門は、事業部門のニーズや課題を把握し、最適なデジタル技術やソリューションを提供して業務プロセスを改善します。各部門の業務フローを分析し、非効率な点を特定してAI、RPA、クラウドサービスなどの技術を選定・カスタマイズして導入します。

例えば、人事部門にはAIを使った候補者スクリーニングシステム、経理部門には自動化された請求書処理システムを導入します。これにより、業務効率の向上、人的ミスの削減、データの可視化が実現されます。改善プロセスは継続的にモニタリングし、必要に応じて調整を行います。

5.データ活用と分析

DX推進部門は、データ分析やダッシュボード作成を担当し、企業の意思決定プロセスを強化します。社内外のデータソースを統合するデータ基盤を構築し、高度な分析ツールやAIを活用してビジネスインサイトを抽出します。

例えば、顧客行動分析で販売戦略を最適化したり、生産データ分析で在庫管理を効率化したりします。さらに、分析結果を経営層や各部門が理解しやすい直感的なダッシュボードを作成することも業務の一つです。

DX推進部作りを成功させるには

DX推進部の設立は、企業のデジタル変革を加速させる重要な一歩であるものの、その成功には戦略的なアプローチが不可欠です。そこでここからは、DX推進部を効果的に機能させるための6つの重要なポイントを詳しく解説します。

1.リーダーシップの確立

DX推進部の成功には、単にDX推進部内だけでなく、経営層や各部門との強い連携を実現する力を持つ強力なリーダーシップが不可欠です。

DXリーダーは、技術的な知識だけでなく、ビジネス戦略を理解し、組織全体を巻き込む能力が求められます。また、変革に伴う抵抗や障害を乗り越え、組織全体をDXの方向へ導く決断力と実行力も重要です。

2.明確なビジョンと戦略策定

DX推進部の成功には、組織全体のデジタル化の方向性を示し、明確なビジョンと具体的な戦略の策定が不可欠です。戦略は、短期・中期・長期の目標を設定し、リソースの効率的な配分や段階的な成果を実現するためにも優先順位を明確にします。

また、明確なビジョンと戦略は、組織全体の一致団結を促し、DXへの取り組みに対するモチベーションを高める効果があります。

3.組織全体との連携

DXは単なる技術導入ではなく、ビジネスモデルや組織文化の変革を伴うため、IT部門だけでなく、業務部門や経営層との密な協力が必要です。DX推進部は、各部門のニーズや課題を理解し、専門性を活かしたソリューションを提案・実装します。

また、定期的な横断的ミーティングやプロジェクトチームの編成など、部門を超えた協働の機会を積極的に設け、組織全体のDX推進力を高めます。

4.リソースとスキルの確保

DX推進部で内製化を進める上では、以下のスキルセットを有したデジタル技術に精通した人材の採用や育成が重要になります。

  • クラウド、AI、データ分析、セキュリティなどの技術的スキル
  • プロジェクトマネジメント、変革管理、ビジネス分析などの非技術的スキル

また、外部パートナーとの協業やアウトソーシングの活用も検討してください。リソース配分では、短期的な成果と長期的な能力構築のバランスが重要です。継続的なスキルアップデートと人材育成への投資も欠かせません。

5.成果の測定と評価

DXの成果・評価方法

DXの効果は曖昧になりやすく、長期的な視点が必要です。そのため、成果の測定と評価を積極的に実施します。具体的なKPIを設定し、定期的に進捗を確認することで、DXの効果を客観的に判断します。

測定指標には、業務効率化の度合い、顧客満足度の向上、新規ビジネスの創出など、定量的・定性的両面から設定してください。短期的な成果だけでなく、組織の変革度や従業員のデジタルスキル向上など、長期的な指標の考慮も重要です。

6.育成とトレーニング

DX推進部では、技術の急速な進化に対応するため、メンバーに対する教育とトレーニングが重要です。最新のデジタル技術やツールの習得に加え、ビジネス戦略、プロジェクトマネジメント、変革管理なども含まれます。

外部セミナーやカンファレンスへの参加、オンライン学習プラットフォームの活用など、多様な学習機会の提供も検討します。

まとめ

DX推進部は、戦略立案から実行、各部門との連携、業務プロセス改善、データ活用まで担う、企業のデジタル変革を加速させる中核的存在です。DX推進部を設立する際は、強力なリーダーシップ、明確なビジョン、組織全体との連携、適切なリソースとスキルの確保、成果の測定と評価、そして継続的な育成が大切です。

DX推進部は非常に重要ですが、その組織を構築するには多様な人材と多くのリソースが必要で、時間もコストもかかります。ワクフリでは、必要な人材をアサインし、推進部をコンパクトかつスムーズに設置してDX推進を可能にします。持続的な変革を推進する力を備えたDX推進部を目指す際には、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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