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DXを進めるための6ステップとは?

目次

「DXを推進したいけど、どこから手をつければいいのか分からない…」「デジタルツールを導入したのに、期待した成果が出ない…」このような悩みを抱えている方は少なくありません。

そこで本記事では、DXの本質的な意味から、具体的な進め方を詳しく解説します。陥りがちな失敗例もお伝えするため、企業に最適なDXの進め方を明確にする参考にしてください。

DX推進前に確認すべきこと

まず、DXの本質と必要性を理解し、自社の状況を把握することが成功への第一歩です。DX推進の方向性を明確にし、より効果的な取り組みを行うためにもそれぞれ再確認しておきます。

DXとは何かの確認

DXとは、デジタル技術を活用して企業の事業モデルや組織を根本的に変革し、競争力を高めていく取り組みのことです。

このDXの主な目的は、急速に変化する市場環境に柔軟に対応し、持続的な成長を実現することです。デジタル技術を活用して、顧客ニーズにより迅速に応えたり、データに基づいた意思決定を行ったりするなどで企業の競争力を高めます。

なお、単なるITシステムの導入やデジタル化とは異なり、DXはビジネスプロセス全体を見直し、新たな価値を創造することを目指します。また、IT化は既存の業務の効率化を主な目的とするのに対し、DXは顧客体験の向上や新規事業の創出など、より広範囲な変革を目指すものです。

DXの必要性の確認

市場競争力の強化、顧客体験の向上、そして従業員の創造性発揮など、多面的な価値創造を可能にするDXは単なるコスト削減や効率化だけでなく、企業の成長戦略そのものです。

デジタル技術を上手に使うことで、より効率的な業務プロセスを構築し、迅速な意思決定や変化する市場変化へ対応できます。デジタルチャネルを通じて顧客とのコミュニケーションを強化し、顧客満足度を高め、ロイヤリティも獲得できます。

さらに、ルーチンワークの自動化やデータ分析の効率化により、従業員はより創造的な業務や戦略的な取り組みに時間を割くことも可能です。

実際にDX推進できている方のうち、6割以上の方がDX推進により12時間以上の業務を削減できたと回答しています。

出典:HRzineニュース「DX推進による業務時間削減は月12時間以上が約6割」

DX推進時のポイント

DXを成功に導くためには、

  1. 人材の確保・育成
  2. 全社的なリテラシーの向上
  3. 業務効率化にとどまらない取り組み

が必要です。それぞれのポイントを押さえることで、DXの推進をより効果的に進めることができます。

1.人材の確保・育成

人材育成は一朝一夕には進みませんが、継続的な取り組みがDXを推進するために求められます。

まず、デジタル技術の知識だけでなく、ビジネス戦略の理解や変革をリードする能力などのDXにおけるスキルセットを明確にしてください。

職種としては、データサイエンティスト、AIエンジニア、クラウドアーキテクト、UX/UIデザイナーなどの専門職が挙げられます。この人材を外部から採用することも1つの方法ですが、同時に既存の社員のスキルアップも行います。

2.全社的なリテラシーの向上

DXの取り組みをより円滑に進めて成果も出やすくなるように、全社を巻き込んだデジタルリテラシーの向上も行います。経済産業省が公表している「DXリテラシー標準」は、すべての社員が身につけるべきデジタルスキルの基準を示したものです。

これを一部のメンバーだけに限らず、全社的に身につけることで社員はデジタル化による変革を自分に関係のあることとして捉えられるようになります。そして、DXへの理解と支持が組織全体に広がり、その変革に向けて自ら行動を起こせるようになるのです。

DXリテラシー標準に関する記事はこちらから

3.業務効率で満足しない

業務効率化はDXの入り口に過ぎず、その先にある事業変革や価値創造こそがDXの本質です。そのため、大切なのは効率化によって生まれた時間や資源をどのように上手に使うかです。

例えば、効率化で生まれた時間を顧客との対話に充てることで、より深い顧客理解につなげることができます。また、新規事業の企画や開発、社員のスキルアップ研修など、企業の将来的な成長につながる活動に時間を振り向けることも可能です。

業務効率に関する記事はこちらから

DXの6ステップ

DXを成功に導くために、DX推進の6つの重要なステップを紹介します。各ステップには固有の課題や注意点がありますが、全体を通して一貫性を保ちながら進めてください。

1.目的整理

DXの第一歩は、DXを推進する目的を明確に整理し、具体的な目標を設定することです。企業は、以下のような目的を考慮する必要があります。

目的の例内容
売上増加デジタル技術を活用して、売上の拡大を目指す
顧客満足度の向上顧客体験を改善し、満足度を高める
新しい収益源の開拓新たなビジネスモデルを通じて、収益源を多様化する

目標が明確であればあるほど、DX推進の方向性が定まり、成功への道筋が見えてきます。

2.ビジョンの策定

次に、明確なビジョンを策定します。ビジョンとは、DXを通じて企業が将来的に達成したい姿を指します。このビジョンがDX推進の指針となり、全体の一貫性を保つための重要な要素となります。

ビジョンの策定ポイント内容
将来像の描写企業がDX後に達成したい理想の状態を具体化する
一貫性の維持全ステークホルダーが共通の理解を持つ
長期的視野の確保短期・中期・長期的な視点で戦略を構築

3.ビジョンに沿った具体的戦略

ビジョンが明確になったら、その実現に向けた具体的な戦略を策定します。戦略策定の目的は、ビジョンを具体的な行動計画に落とし込むことです。これには、短期、中期、長期の目標を設定し、それぞれに適切な施策を計画することが含まれます。

短期的には、既存業務のデジタル化や効率化を進め、即効性のある成果を上げます。中期的には、新しいデジタルサービスを開発し、競争力を強化します。長期的には、事業モデルの根本的な変革を目指し、持続可能な成長を図ります。

戦略の区分内容
短期的戦略既存業務のデジタル化や効率化
中期的戦略新しいデジタルサービスの開発
長期的戦略事業モデルの抜本的な変革

このように、ビジョンに基づいた具体的な戦略を立てることで、計画的に目標達成に向けたステップを踏むことができます。

4.ロードマップの作成

ビジョンと戦略が決まったら、次は具体的な行動計画に落とし込むロードマップの作成です。ロードマップには、各施策の開始時期や完了予定日、マイルストーン、必要なリソース(人材、予算、技術など)を明記します。

また、各施策の依存関係も考慮に入れ、定期的なレビューポイントを設けることで進捗状況を確認しつつ、必要に応じて計画を修正できます。

加えて、DXの推進中に予期せぬ課題や新たな機会が生じるため、状況に応じて適宜調整できるようにしておくことも重要です。

5.業務整理

業務整理は、DX推進の基盤を作るための重要なステップです。現行の業務プロセスを徹底的に整理し、以下の要素に注目します。

業務フローの可視化を行い、現在の業務の流れとその関係性を明確にします。これにより、非効率な部分や改善点を把握できます。次に、顧客視点を取り入れて、顧客のニーズやフィードバックを基に業務プロセスの改善点を見つけます。そして、デジタル技術の導入状況や社員のスキルレベルを評価し、技術的なギャップを特定します。

業務整理の要素内容
業務フローの可視化現状の業務プロセスを図式化し、全体像を把握
顧客視点の考慮顧客のニーズや市場動向を反映した課題を抽出
デジタル技術の導入状況技術の導入状況や社員のデジタルスキルレベルを評価

6.業務整理で出た課題を解決するためのロードマップ作成

業務整理で見つかった課題に対して、具体的な解決策を導入するためのロードマップを作成します。

まず、課題の優先順位を設定し、影響度や重要度に基づいて取り組む順序を決定します。次に、それぞれの課題に対する具体的な解決策を策定し、実行可能なプランを作成します。また、解決策を実施するために必要なリソースを明確にし、適切に配分します。最後に、進捗状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて計画を調整します。

このプロセスを通じて、効率的に課題を解決し、DX推進をスムーズに進めることができます。

DXのよくある失敗例

ここでは、DXを進める上でよく見られる失敗例をいくつか紹介します。DXの本質的な理解が不足していることに起因する場合が多いことから、自社のDX推進において同じ轍を踏まないよう注意してください。

ツールの導入で完結する

DXの取り組みにおいて、ツールの導入は入り口に過ぎず、その先にある事業変革や価値創造こそが本質的な目標です。大切なのはそのツールをどのように活用し、顧客との関係性を深めていくかという戦略です。

ツールは単なる道具であり、使いこなす人材や、上手に使うプロセスがあって初めて価値を生み出します。また、最新のツールを導入しても、使いこなせる人材がいなければ、投資は無駄になってしまいます。

業務効率が目的になる

DXの取り組みにおいて、業務効率の向上はDXの初期段階における副次的な効果に過ぎません。本来のDXの目的は、デジタル技術を活用して新たな顧客価値を創造し、ビジネスモデル自体を変革することにあります。

例えば、データ分析によって顧客ニーズを深く理解し、新しい製品やサービスを開発するといった取り組みこそが、DXの本質です。効率化によって生まれた時間や資源をどのように上手に使うか、例えば社員の創造的な活動や、顧客との対話に充てるなど、より付加価値の高い活動に振り向けることが求められます。

必要な予算を把握できていない

DXは単なるIT投資ではなく、企業全体を巻き込む大規模かつ長期的な取り組みです。推進するためには初期投資だけでなく、継続的な運用コストや人材育成費用なども含めた包括的な予算計画が必要です。

例えば、新しいシステムの導入費用だけを考慮し、その後のメンテナンスコストや、従業員のトレーニング費用を見落としてしまうケースは非常に多いです。デジタル人材の採用や育成にかかる費用を長期的な視点で計画し、予期せぬ課題や新たな機会にも対応できる予備費を確保しておくことも重要です。

社内全体で取り組めていない

DXの推進において、一部の部門や担当者だけがDXに注力し、他の部門が従来の方法を続けていると、組織全体としての変革が進まず、期待した成果を得られません。また、経営層がDXの重要性を理解していても、現場レベルでの理解が不足していれば、実際の業務改善や新サービスの創出は難しくなります。

このような状況では、当初のビジョンと実際の施策が乖離してしまい、DXの取り組みが形骸化します。DXを特定の部門や担当者だけの取り組みとせず、組織全体の課題として捉えて経営層のリーダーシップのもと、全社的な理解と協力を得ながら進めてください。

まとめ

DXは単なるデジタル技術の導入ではなく、企業全体を変革するための包括的な取り組みです。適切な人材の確保・育成、全社的なデジタルリテラシーの向上、そして業務効率化にとどまらない価値創造を継続的に行うことが求められます。

そのため、DXの進め方の基本として、まず現状を正確に把握し、戦略を立案、その後、ロードマップを作成し、専門チームを構築して慎重に実行していくことが重要です。そして、このサイクルを継続的に改善し続けることが成功の鍵となります。ツールの導入だけに終始したり、業務効率化だけを目標にしたりする落とし穴に陥らないよう注意が必要です。

しかし、適切な人材を採用するのは困難であり、社内のみで人材を育成するのは効率が悪いこともあります。また、現状把握においても、すべての課題を洗い出せているか不安に感じることがあるでしょう。

そこで、ワクフリなら伴走型でDX推進のパートナーとしてご支援いたします。ワクフリでは、専門のDX推進チームが、人材やスキルのリソース不足やコストの課題を効果的に解決しながら、お客様の業務改善を一緒に実現します。DX推進に関するお悩みや、ワクフリのサービスについて詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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