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拠点に分散する業務情報。速やかな経営判断を支える経営管理インフラのDXとは?

税理士法人アイユーコンサルティング

2013年4月、福岡市で創業。2018年4月に東京事務所開設、2023年3月に大阪事務所開設など、全国で事業を展開。税理士27名、公認会計士2名を中心に、年間1063件の相続・承継案件を手掛け、顧客満足度98.29%、相続・継承案件数累計4350件以上の実績を持つ。従業員数141名

2013年4月の創業以来、急速な成長を遂げたアイユーコンサルティング様。一方で、スタッフの人数が増え、複数拠点を持つ中でデータが拡散。経営管理に向けた情報を集めるまでの非効率さが目立つようになってきました。

そんな経営上の課題を解決する糸口になったのは、各拠点とバックオフィスを結び経営管理を全体最適する、アイユーコンサルティング様独自のシステム構築だったのです。

そこに至る経緯と、解決によって得たメリット、今後の改善点など、アイユーコンサルティンググループ代表の岩永 悠様にお話を伺いました。

スタッフが50名を超え、従来の会計事務所向けクラウドサービスに限界

岩永

「当時は会計事務所向けのクラウドサービスで情報管理をしていたのですが、スタッフの人数や情報量が増えたため、売上や営業成績の管理は別途、Excelで行うようになっていました。
しかし、人数が50人を超えてくると、Excelでの管理に限界を覚え、『さまざまな場所に重要なデータが散らばっている』という非効率な状態におちいっていました。
そこで、情報の一元管理により、探す手間とストレスから開放されたいという想いから、ワクフリの髙島さんにご相談させていただきました」

会計事務所の業界では、独立前の事務所で行っていた仕事の進め方・業務フローのあり方を前提に、固定認識(ワク)ができてしまいがちです。Excel管理も人が少ない間は問題がなかったかもしれませんが、データや情報が同期できない特性上、拠点や人が分散していくと適さなくなってしまうケースが多くなります。
アイユーコンサルティング様でも、会計数値がそれぞれのExcelファイルに分断され、会計数値が見えにくくなってしまっていったことが課題となっていました。そのため、情報連携しやすい基幹システムの構築が急務となっていました。

岩永

「高島さんの記事や会計事務所への講演などを目にする機会があったため、ワクフリさんは『同業種に強く、業務改善全般を行ってくれそう』……そんな印象を持っていました。
また、ほかの会計事務所さんが行っている業務改善事例や、ご苦労されていることなども知りたくて、ご連絡することになりました」

DXに先立ち、会計事務所の現場業務を可視化

まず行ったのは、現場業務の可視化でした。
代表の岩永さんやスタッフの皆さまへのヒアリングを実施する中で、現場業務の可視化から課題抽出、そして優先度のすり合わせを行いました。
こちらは、会計事務所の業務理解に加えて、業界横断した中小企業の実態理解への知見がワクフリに蓄積されていたため、課題点を見出せたと思われます。

岩永

「ヒアリング・現状分析で業務フロー図を作成していただく中で、業務整理がとても上手だと思いました。髙島さんはもともと会計事務所のご出身だったので、業務内容もスムーズにご理解いただき、助かりました。
それから、ワクフリさんはスタッフ間の連携が取れていて、同じ内容を何度も話さなければならないということがなかったですし、社内間の〝報連相〟がうまく出来ているんだろうなと感心しました。もちろん、適切な担当者から、すぐに連絡をいただきました」

〝現場の声〟を大事にしながら全社に適した経営管理インフラ構築を模索

業務フローの理解が進んだことで、改善プランの作成に着手。開発が始まりました。
各拠点の方をはじめ、アイユーコンサルティングのスタッフの皆さまからご意見を伺いながら、システムの導入から運営を実現しました。一方で、各拠点の離れたメンバーの声を大事にしながら、その声を反映していくことは難しい。そのため、2つの工夫をこらしていきました。

まずは、コミュニケーションを取らせていただくにあたり、kintone上で情報共有用のアプリを作成。実際にkintoneを使い連絡を行なう中で、システム運営に慣れていただきました。
定例会議や分科会を開催しつつ、週1回から2回のペースでアイユーコンサルティング様に訪問。タイムリーなご意見をシステムに反映していきました。

岩永

「kintoneを導入した直後は、『こうしたい』という私達の要望が多く出るタイミングでしたが、すぐに対応いただけるようサポートしていただきました。
やはり、『導入後にどう運営するのか?』が大事なので、運営中に現場から出たリアルな要望をその場で説明すると、すぐに改善してくれるんです。
もちろん、『弊社はこうしたいけれど、仕組み上はここまでしかできない』という場面もありましたが、担当の井上さんに『では、こういう案はどうですか?』という別のご提案をいただけました。『これぞコンサルティングだな』と思いました。お互いにできる範囲で最適解を見つけられたということですから」

こうした現場の声を反映しながらシステム開発を進めていくと、本来の目的を見失ってしまいがちになります。ただし、業務を変えることが目的ではありません。今回の目的は、経営層の皆さまが全社数値をタイムリーに把握し、速やかに次の手段を打てる状態にすることなのです。

そこで、各拠点の情報フローをkintoneで整備しつつ、バックオフィス側の改革にも着手していきました。バックオフィスには、既存のクラウドツールが最適と判断。そして、バックオフィスのクラウドツールとkintoneを接続し、全社最適での経営管理システム・フローを構築していきました。

岩永

「会議の際に全員がチェックするページが決まっていて、そこから『見たい情報』へすぐにアクセスできるので、時短になりました。
また、社内の誰に聞いても『この情報はここにある』と回答が一致するので、社内での情報共有意識は強まりましたね。以前は拠点ごとに情報を管理する場所が異なっていたり、担当者ごとに保管しているフォルダがあったりしていたので、情報を探すことでのストレスから解放されました」

DXは自社に合うシステムの形を考える機会

アイユーコンサルティング様では毎月、業績を共有するための会議を実施していますが、その都度、会議用の数字をまとめた資料を準備する手間がありました。そちらが、経営管理インフラのDXにより、リアルタイムで業績の状況がわかるようになり、会議を準備する作業時間がゼロになりました。

また、顧客情報と連動した工数管理の実施で、スタッフの皆さまの成果を定量的に判断・評価できるようになったことも大きな成果でした。加えて、クライアントごとの生産性を、売上・稼働工数で定量的に可視化。きちんと利益が出ている案件か、タイムリーな見極めが可能になりました。

そして、スケジュール、顧客情報、案件の進捗状況、クライアントごとの売上、スタッフの稼働状況、社内ナレッジなど、業務に関わる情報を集約できる環境が整い、経営・管理層、スタッフの皆さまともに、業務に必要な情報へのアクセス性が向上しました。特に、経営層の皆さまが、いつでも見たい時に最新の正確な情報を確認できるようになり、速やかで的確な経営判断が可能になったのです。

岩永

「もちろん、『クラウドサービスはすべての企業において必要』ではないと思うんです。
税理士業界の場合、少人数の事務所に合わせたシステムから、IT担当者が何十人もいるような大企業での自社システムまで、組織の規模ごとに合うシステムは三段階くらいに分けられます。
弊社は導入当初、その中間層にあたる30〜100人くらいの規模感でしたので、ちょうどいいシステムがなく、kintoneでの開発を選びました。ただし、自分の会社に合うよう作っていかないと、間接部門で結構無駄な時間を使ってしまうなと感じましたし、そこは自ら改善すべきだなと思いました。
特に私達の業界は、クライアントに改善案などをご提示する立場なので、運営してみないとわからないことも多かったように思います。
DXは自社に合うシステムの形を考える機会でもあったのではないでしょうか」

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