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300年の歴史に新たな一歩。DX研修が開く老舗貴金属メーカー現場改革への扉

株式会社 徳力本店

享保12年(1727年)5月に、江戸幕府の命を受け金銀の改鋳事業を開始。以来、300年にわたる長い歴史を刻み、昭和9年(1934年)12月25日に改組した、伝統と信頼に裏打ちされた総合貴金属メーカー。

貴金属は今や、携帯電話やテレビ、ラジオ、パソコンなどの基盤用材料として使われ、自動車の排気ガスから有害成分を取り除く触媒やHⅡロケットの宇宙用温度センサーといった、環境・宇宙開発という最先端分野へとニーズは広がっています。

江戸時代の創業以来、明治、大正、昭和、平成、令和と時代が変わり、徳力本店様も未来に向けた業務改革が重要になってきています。

そんな中、同社の工場部門の業務課若手社員を中心に、DX研修が行われました。そこで明らかになった業務課題やこれからの展望を、I課長、S社員にお話を伺いました。

業務可視化後の業務改革を加速し、人材育成に寄与するため社外へDX研修を依頼

同社工場部門の業務課では、発送業務を改革の鍵と捉え、業務の可視化を進めていました。発送業務の入口と出口は決まっているため、業務の流れ自体は単純だと認識したのですが、実際にはパターンごとに処理が異なるなど、細分化されていることに気づかされたと言います。

また、発送業務のマニュアルは存在していますが、過去に送付ミスが発生したり、どうしても目先の課題に影響されがちで、社内だけでの課題解決に難しさを感じていたのです。

I課長

「弊社は長い伝統があり、現場の仕組みは昔からあまり変わっていないことが多いです。そして、慣例主義と言いますか、従来のやり方から大きく業務スタイルを変えたくない、そういう人も多いです。しかし、組織が変わってきたこと、時代の変化を受けて、作業方法など業務の進め方を変えなくてはならない……それが今、必要だと思っています」

徳力本店様では、固定資産管理、事務作業の効率化、製品の発送業務(物流の効率化)の3点を主な改善課題に挙げ、その解決の第一歩として、ワクフリのDX研修を実施しました。

I課長

「工場の業務課で、普段は発送業務などに携わる社員を中心にDX研修を行いました。以前の研修では、本社人事課が中心となり、スケジュールなどを立てていましたが、今回は工場の1つの課が中心となって研修の計画をしました。
管理部、生産管理部で、製造には関わっていない人を軸に、若手プレイヤーを中心に参加メンバーを選んだので、研修を受けるのが初めての人が多かったですね」

部署をまたいだディスカッションの機会を創出

研修のカリキュラムは「DX基礎講座」を2時間と「業務改善講座」4時間の、計6時間。それを1日で実施する運びとなりました。

そして、研修を受けた業務課の若手社員のみなさんは、普段の業務では他部署の方と関わる機会が少なかったと言います。

Sさん

「実際の業務事例を踏まえて考えることができる研修だったので、内容はとてもわかりやすかったです。私たち業務課は1階と2階にフロアが分かれていることもあって、普段あまりほかの部署の社員と業務の話をすることはないのですが、グループワークの中で、自分がしたいと思っている事に加えて、みんなの意見も聞けました。自分本位な業務の進め方ではなく、周りの意見を参考にした業務ができるようになったと思います。
私は聞くだけの座学は苦手なので、ディスカッションが多くてコミュニケーションが取れた今回の研修は、受講していて楽しかったですね。なので、もっともっと、多くのことを教わってみたいと思いました」

I課長

「受講してみて気づいたのですが、今までの研修で自分は『受けろと言われて受けている立場』だったなぁと思いました。しかし、今回のDX研修はこちらからアクションを起こしてお願いしたため、『自分たちに足りないことを学びたい』という意識が強かったんでしょうね。内容がスッと自分事として理解出来ました。もちろん、受講してくれた参加者も、DXへの理解が進んだようで安心しました。
DX研修をどのように位置づけて実施したのか……研修前は私の思いを理解されていない方が多かったと思うのですが、受講したことでその意義・意味について、しっかり考えてもらえたんじゃないかと感じています」

研修だけで終わらない。工場の発注業務を現場で見つめ直す好機に

今回のDX研修は1日6時間と限られたものでしたが、成果を感じたという徳力本店様。一方で、今後の業務改善に向けて課題もあったといいます。

I課長

「研修前は『DXって何だろう?』って難しいものとして捉えていたのですが、わかりやすい内容でした。ただ、実際の業務に落とし込んでいくことができたかというと、そこまでいけていない人が多いと思います。今後も管理部や生産管理の現場を中心に研修を何回か重ねていくのがよいかもしれませんね。
それから、30人ほどが参加したこともあり、グループワークでディスカッションできたのはよかったと思いますが、今後は普段の業務とさらに結びつけるために、少人数に絞り込んで、それぞれの意見をさらに採り上げられやすい形での研修も必用かと思いました」

Sさん

「実際の業務で関わる方に今回の研修のことを伝えたところ、いろいろアクションを起こしてくれるようになりました。そして、DXを考える前に、『もう少し情報を集めて一本化して、ステップを踏んで整理してからDXに進もう』といった、現実的な段階を踏んだ話し合いが、業務課で話し合えるようになりました。ひとりひとりが業務の進め方について考えてくれるようになったと実感しています。
そして、今回研修を受けられなかった方には、業務改善などの意図を伝えにくいことがありました。改めて受講してもらえれば、もっと意見を共有できるんじゃないかな? そう思っています」

I課長

「kintoneのシステムを学ぶとか、そういうのもDXの目的のひとつだと思います。ただし、DXは新しいソフトを入れればいい……そんな簡単な事ではないと思っています。ワクフリさんは私たちの業務の仕組みからヒアリングしていただいて、必用であればソフトを入れることがあるかもしれないけれど、まずは仕組み自体から改善していかなくてはならない、そういうご意見だったので、私の考え方に近いなぁと思いました。
私は入社して20年になりますが、今までの研修は、営業や建築など幅広い職種の方が集まるといった内容のものが多く、業務に落とし込んで考えるのが難しい場面がありました。今回の研修は、自分たちの仕事とリンクさせて想像しやすい内容だったと思いますし、さらに実務に活かして成果としていきたいと思っています」

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