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伝統ある呉服事業の業務改革。高齢社員も多くデジタルに〝不慣れ〟だったエムラのDXへの挑戦

株式会社エムラ

1935年6月、山口県防府市に「江村呉服店」として創業。1968年6月に現社名に改称。衣料・呉服・ジュエリー・革製品・寝具など、親子三世代で買い物を楽しめる、最新ファッション・生活逸品を提案。従業員数150名(2020年度)

創業以来90年もの長きにわたり、地域のお客様に愛されるエムラ様。

お客様と共に歩む中で社員の高齢化が進み、各店舗と本部スタッフとの情報伝達や連携も非効率化。結果として顧客満足を下げることがありました。また、アナログな作業は業務速度の低下を招いていました。

もちろん、経営改善への取り組みとして、kintoneへの置き換えなどの改革は行われてきましたが、効果的な活用にはつながりませんでした。

伝統ある呉服事業。ゆえに必要となる業務改革とはどのようなものだったのか……DXによる業務改善の経緯や現状など、同社経理総務本部の越智課長にお話を伺いました。

FAXも残る〝現場〟に受け入れられるか……不安はあった

越智

「紙で管理していた本社の経理業務の負担を減らすために、ペーパーレス化を考えていました。しかし、現場は社員の高齢化によって、パソコンよりも電話やFAXでのコミュニケーションに慣れている世代が多いのが実情でした。
長年の習慣が染みついている現場にクラウドサービスを導入しても、なかなか定着せず、業務効率化に結びつかないのではないかと不安を抱えていました。
経理業務の効率化を自分たちだけ実現することは難しいと考え、業務改善策への情報を集めていたところ、山口銀行様からのご紹介でワクフリさんにお願いすることとなりました」

エムラ様は山口県下に防府本店、山口店、岩国店、宇部店、徳山店の5店舗を持ち、本社は防府市栄町に所在します。拠点の分散により年齢や立場の差で統一感が薄れ、本部と各店舗のコミュニケーションが疎遠となることもありました。

さらに、店舗従業員の高齢化が進み、従来の慣習を重視する業務スタイルが主体化。ソフトベースでの業務への切り替えを強要できない〝店舗の従業員ファーストの方針〟におちいりがちでした。
そして、事務系の現場に権限が付与されていないこともあり、改善の具体的なアイデアや知見、現場課題が経営層までなかなか上がらない、そんなジレンマも生じていました。

一方で、本部でも店舗の要望など部分最適となる改善は行ってはいたものの、業務フロー全体を見直しする仕組みや組織体がなく、経営層が現場の業務課題を認知する機会を損失していたのです。
そこで、エムラ様の業務改善の第一歩として、ワクフリはヒアリングを実施しました。

越智

「ヒアリングは目的の整理からスタートしました。業務改善を進めていく中でズレが生じないように、自分たちの『ありたい姿』を設定し、丁寧に時間をかけてゴールを設定していきました。
また、『一緒に働く仲間がどのような状態であるのが理想ですか?』と聞かれるなど、表面上の業務改善ではない本質的なサポートをしてくれると思いました。
ワクフリさんには業務整理から問題点を洗い出してもらい、そこからツールの提案だけでなく、『実際にどのようなフローでツールを活用していくか』までを可視化していただきました。業務の現状把握だけではなく、社内の状況や空気感をとらえるところまで行う業務改善は、なかなか珍しいのではないかと思います」

改革を急がず、まずはスモールスタートで一歩を踏み出す

エムラ様では元々、Kintoneを使ったシステムを導入していましたが、定着に失敗していました。ヒアリングを元にして業務改善を進めていく中で、同社にはゆっくりとしたペースで行う〝スモールスタート〟が最適と判断。楽楽精算を導入することとなりました。

越智

「以前の経費申請は、現場から記入した用紙をFAXで送ってもらい、それをもとに本社で会計ソフトに入力していくという流れでした。しかし、ワクフリさんにご提案していただいた楽楽精算を導入してからは、店舗にあるパソコンからデータを送ってもらうだけになったので、作業自体も簡略化され本社の負担も軽減しました。
もともと、弊社ではkintoneを導入していたのですが、うまく活用ができていませんでした。そこで、楽楽精算の導入後に、着物のローンの売掛管理で使えるツールを作っていただいたんです。こちらは現在も大いに活用させてもらっています」

現場に寄り添ったマニュアルとレクチャー。現場が新システムへ馴染んでいく

社員の高齢化でツール導入に障壁を感じていたエムラ様でしたが、新システムを実施したところ、現場の社員から予想を超えた支持を集める事となりました。

越智

「最も驚いたのは、方向性の変化についていけないと思っていた現場の社員たちに、新たな仕組みが浸透したことです。ワクフリさんには業務マニュアルの作成と、店舗にて楽楽精算のレクチャーをしていただきました。社外の方からの説明を受けたことで、現場の社員たちから『真剣に向き合おう』という意識が感じられました。
また、社員が実務を想定してワクフリさんへ積極的に質問をしており、新しいものに対して前向きな姿勢であったことがとても嬉しかったです。
本社で変革を起こしても、現場に落とし込むところまでを自社だけで実施するのは難しかったと思います。しかし、ワクフリさんにも入っていただいたおかげで、現在も新たな仕組みをきちんと運用できています」

そして、スモールスタートで始まった改革は、長年にわたる業務を通してエムラ様にあった「固定観念=ワク」を一度見直し、経営効率化を図る良き機会になったようです。

越智

「ワクフリさんはITツールに関する豊富な情報量を強みにして、状況に合わせて最適なご提案をしてくださる、業務改善・DXのスペシャリスト集団という印象を持っています。実績もさることながら、親しみやすさや頼りやすさも兼ね備えているので、業務効率化を進めやすかったです。
さらに、今回の業務改善支援を通じて、従来の方法から別のものに移行する際の進め方や、注意するべきポイントなどを学ばせていただきました。ワクフリさんのサポートが終了しても、「自走できる意識」が身についたと思います」

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